物件の下見に行く


不動産会社の物件資料を見て、気に入った物件があったら必ず
下見に行こう。
下見には業者の担当者が同行する場合と、カギを渡されて
自分で見に行く場合の2つのパターンがある。
業者の同行には疑問点を質問できるというメリーットがあるが、
一入でじっくりチェックするには業者が同行しない方が気がラク。
ただし担当者の同行を原則とする業者が多いから、一人で下見に
行きたい場合は、その旨を話し、相談するといいだろう。

下見に行ったら、「物件周辺及び最寄り駅までの環境」「部屋
の内部」「建物の設備及び管理状態」の3つの視点から物件を
チェックする。

●物件周辺及び最寄り駅までの環境

物件資料に記載された「徒歩○○分」は、80m歩くのに1分かかる
という想定で計算したもの。しかも信号待ちや坂道などは
考慮されていない。
80mで1分ということは5分で400m、10分で800m、15分で1200m
歩く計算になる。普通、10GGm歩くには!5分かかるから、
これは相当の早足である。
物件資料の「徒歩○○分」は、実際に歩けば、それ以上かかると
考えておいた方がいい。
これを下見の際に自分の足で確認する。業者の担当者が同行する
場合は、クルマで行くケースが多いが、その場合でも帰りは
別行動にしてもらって駅まで歩いてみる。そうすれば、駅までの
所要時間のほか、商店街の充実度、銀行、郵便局など各種施設の
所在地、通勤・通学途中の防犯上気になる場所の有無なども
おおよそ見当がつく。
ただし建物周辺の騒音や悪臭のチェックは一度の下見ではなかなか
わからない。たとえば近くに学校や工場などがある場合は、
土曜日曜だけでなく、平日にも下見をしないと実態はつかめない。
同様に昼間ど夜では周辺の環境が一変することもある。
時間的に余裕があるなら、昼と夜、土日と平日など、何度か足を
運ぶ方がいい。
下見をしたアパートやマンションに実際に入居している人に
「騒音はどうですか。変な臭いはしませんか」と聞いてみるのも
忘れずに。
なお自転車を利用する場合は駅の駐輪場の有無と利用料金、
バス便を利用する場合は本数と終バス・始バスの時間、タクシー
乗り場の有無を忘れずにチェックすること。
チェックポイントを整理すると次のようになる。

@最寄り駅までの所要時間
A商店街の充実度(スーパー、コンビニ、飲食店、酒店、書店、
電気店、文房具店、花屋、薬局など〉
B公共施設の所在地(銀行、郵便局、市区役所・町村役場の出張所
など〉
C夜道の安全(通勤、通学途中の防犯上気になる場所の有無)
D騒音・悪臭の有無
E自転車利用の場合は駅の駐輪場の有無と利用料金
Fバス便利用の場合は本数と終バス・始バスの時間、タクシー乗り場の
有無

●部屋の内部

部屋探しのハイライトは、この物件内部のチェックに尽きる。
これは簡単なようで案外難しく、奥が深い作業だ。
部屋の床材、梁の出っ張り、天井高、階段やドアの間口の広さ、
収納部の高さ・奥行き、キッチンの高さ、コンセントやテレビ・
電話端子の位置と数、アンペア数、陽当たり、防音・遮音性能、
窓の外の状況……等々、不動産会社でもらった物件資料では
わからない事柄が多く、そうした点を一つ一つ確認しながら、
手持ちの家具・家電などが引っ越してきてもそのまま利用できるか
どうかチェックしていく。それにはメジャーと、手持ちのタンスや
冷蔵庫、ベッドなどのサイズのメモが不可欠。
下見の必需品なので忘れずに用意しておこう。
部屋の広さは帖数(畳の枚数)で表示されるケースが多いが、
1帖の広さは物件によって多少違う(1帖=1.62〜1.65u)ので、
そのつもりで。収納スペースは押入やクローゼットだけでなく、
流しの下の収納部や流しの上の吊り戸棚、その他の作り付けの棚、
下駄箱なども必ずチゴッークしよう。
また防音・遮音性能については業者の話は絶対に鵜呑みにしないこと。
特に床材がフローリングの場合は要注意。性能の低い材料を
使用していたら、足音やイスを引きずる音など、いわゆる
フローリング騒音でとんでもない目に遭う。
入居者の暮らし方にもよるので一概にフローリングだけの問題とは
言えない面もあるが、畳に比べたらフローリングの防音・遮音性能は
格段に落ちる。
フローリングの部屋に住むならよほどの覚悟が必要で、
下見に行ったら、絶対に入居者のナマの声を聞いた方がいい。
業者同行のため聞きに行くのがはばかられる場合は、いったん下見を
終えた後に戻って聞くか、日をあらためて聞きに行く。
「失敗した……」と後悔したくなければ、この点だけは面倒がらずに
絶対に確認しておいた方がいい。
中古物件の場合、クロスや床の汚れなどについては、どこまで
修理・改修してくれるのか必ずチェック。「入居するまでには
直してくれるんだろう」などという勝手な思いこみは厳禁。
何も言わなければ、そのまま借りるハメになるかもしれない。
言うべきことは言わないと損である。
また付帯設備の状態も忘れずに確認すること。
「水道など確認する必要はないだろう」と思いがちだが、実際、
「入居したら、お風呂の水が出なくて、修理がすむまで1週間も
お風呂に入れなかった」という信じられない話もある。
「トイレが詰まっていた」とか「エアコンが壊れていた」という話も
聞いた。
エアコンなんてスイッチーつ押せばすむこと。必ずチェックしよう。

チェックポイントを整理すると次のようになる。
@物件資料と現況のすり合わせ(間取りや付帯設備の相違点の有無)
A家具・家電の搬入・設置の可否(タンスやベッド、冷蔵庫や
 洗濯機などを搬入、設置できるか。階段、ドアなどの間口や
 天井高、梁の出っ張り、設置スペース、防水パンの有無など)
B使い勝手(キッチンの高さ、コンセントやテレビ・電話端子の
 位置と数、収納部の高さ・奥行き、アンペア数、ベランダの広さ
 など)
C陽当たり(部屋の向き、日照時間、窓の外の状況=陽射しを遮る
 障害物の有無など)
D防音・遮音性能(上下階、両隣の音の確認)
E付帯設備の状態(故障の有無など〉
Fクロスやカーペット、フローリングの汚れ(修理・改修の確認)

・静かな部屋の選び方・
騒音チェックの方法としては、隣の部屋や上の階の部屋に住んでいる
人に実際に音を出してもらうのがいちばん確実。
壁を叩いたり、歩いてもらったり、モノを引きずってもらったり、
落としてもらったりする。
よく「壁や床を叩いて空っぽの音のする部屋は避け、
重い感じのする部屋を選ぶといい」と言うが、これは主観に
頼る部分が大きすぎて、あまりアーチにならない。
「重量感のある音だから大丈夫だろう」と思っても音が筒抜けという
場合だってある。いちばんいいのはフローリングの床は避けて、
畳やカーペット敷きの部屋を選ぶこと。それから隣の部屋との間に
押入やトイレ、バスなどの遮音のための空間がある間取リを選ぶのも
有効。

●建物の誰備及び管理状態
下見では部屋の内部はしっかり見ても、建物の設備や管理状態などは
意外と見落としがち。
実際に入居して生活するようになれば、毎日の暮らしに直接関わる
ものが多く、けっして侮れない。
廊下やエレベーター、ゴミ置き場などの共有スペースの管理状態、
駐輪・駐車場の場所と使用方法及び管理状態、防犯上気になる
構造の有無などは抜かりなくチェックしたい。
特に共有スペースの管理状態は大事。これがいいかげんな物件は、
大家(管理会社)の経営姿勢も入居者の生活態度も推して知るべしで、
賃貸物件のランクとしてはお世辞にもいいとは言えない。
チェックポイントを整理すると次のようになる。

@廊下、階段、エレベーター、ゴミ置き場など共有スペースの管理状態
A駐輪・駐車場の場所(空きスペース)と使用方法および管理状態
B防犯上気になる構造の有無(特に1階の物件では外部から侵入され
やすい構造になっていないか、フェンスや植栽などを確認)

借りるかどうかは慎重に判断する


下見をして気に入れば契約すればいいし、気に入らなければ
断ればいい。
「下見までして断るのは申し訳ないから……」と思う人も
いるようだが、そんな気遣いは一切不要。
下見は借り手の当然の権利だし、それに同行するのは業者の務め。
気に入らなければ、堂々と断ればいい。
何の迷いもなく「これならOK!」の場合は、すぐに「お世話に
なります」と返事をしてもいいが、気になる点があるときは絶対に
即答しないことだ。
たとえば夜にもう一度、周辺環境や室内外の騒音などをチェック
したい場合は、業者の担当者にその旨を告げ、もう一度夜間に
下見をさせてもらう。
これは業者の同行なしで、できれば部屋探しに慣れた友人と
一緒の方がいい。
それでも不安が解消されないときは、再度、下見を要求する。
それをイヤがるような業者はロクな業者ではない。
ましてや即断即決を迫るような業者は論外。
「この物件は掘り出し物だから、いま返事をもらわないと
今日中に他の人に決まっちゃうよ」とか、「このあと3時にも下見に
来るお客さんがいる。いま決めなければ、たぶんその人で決まりだね」
とか、露骨にプレッシャーをかけてくる業者もいるから要注意。
そんな営業話術には絶対に乗らないことだ。

いずれにしろ気になる点があるときは、再度、下見をするなりして、
じっくり一晩か二晩考える。最初の下見が平日(あるいは土日)で、
土日(あるいは平日)の下見がしたい場合は、そのうえで判断を下す。
絶対に焦らない。
仮にそうやって時間をかけたために他の誰かに先を越されたとしても、
それはそれで仕方のないこと。部屋探しではそのくらいの慎重さを
持った方がいい。
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